どう描くか1割、何を描くか9割
「君がどう描くかは10%にすぎず、90%何を描くか」
優しい人物画に書いてあった最初は何のこっちゃと思ったけど、最近少しわかってきた
何を描くかを決めた時点で、どう描けばいいか決まってくる
描き方は、描きたいもののためある何を描くかによって「上手い」も変わってくるってこと
— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) April 16, 2019
これは「やさしい人物画」というルーミスさんという方が書いた本に書いてあった言葉です
僕が絵を書き始めた時に読んでました
やさしい人物画っていう本はすごく有名なんで、みんなさん知ってますよね
「おすすめの絵の本」みたいなのでググると出てきたりします
実際僕も前にブログで紹介したことありますね
僕の記事で紹介したのは「初心者にはおススメしない絵の本」っていう記事でしたけど
やさしい人物画には人物の描き方とかが載ってるんですけど、それ以外にも考え方とか載ってるんですね
その中にこういうことが書いてあったということです
「君がどう描くかは10%にすぎず、90%何を描くか」
まあ、このねことを聞いて、当時の僕は
いや、そんなわけないだろう
と思いました
当時は何を書くかなんて大して重要じゃなくて、どう書くか
要するに上手く書くことが大事だろうと
そういうもんだろうというふうに思ってました
技術の方が重要であって何を描くかより、どう書くかが大事だと思ってました
上手く表現できるのであれば、別に何を描くかっていうのはただの選択の問題だから、さして重要ではないという風に思ってたんですよね
ただ、最近それはちょっと違うなと思い始めました
ていうのやっぱり何を描くかって言うこと決めた時点で、どう描くかってのも自然と決まってくるっていうことなんですよね
例えば、可愛いキャラクターを描きたいとしたら、どうかわいいのか、
とかどういう服を着ているのか、という表情をしてるのかとかポーズ、服など、など
つまり、「これから描くものがいったい何なのか、ということをもっと考えろ」
という風にこのルーミス先生は言いたかったんじゃないかなと思ったんですよね
そこをはっきりと明確化していく
描くものをはっきりさせておけばどうやって描くかは勝手な自然と決まってくるんですよね
さっきの話で行くと、可愛いキャラクターを書きたいんだったら、可愛さが際立つような色彩とか構図とかライティングは何かな?という思考になります
その段階で初めてそこの技術の勉強ってのが始まるんですね
何を描きたいか決めたところで、「どうやって描くか」が決まってくる
9割は何を書くかで決まるっていうのは、そういうことなんじゃないかなと思いました
何を描くかが事細かに想像できており、明確化できていれば、ほとんど絵は完成したのと同じって事です
描きたいものを考えたり、何を描くか考えたり、資料を調べたりしてるときが、本質的な「絵を描く」ってことであり、実際に描いてるのはほとんど確認というか、テストみたいなもんかなという気が最近はしています
対象を見ながら描くと描きやすい理由は、何を描くか明確だから
いくら上手い人でも、何を描くか決まっていないと上手く描きようがない逆に、描きたいものが自分の中ではっきりしていれば結構上手く描けると思う
やりたいことが明確な人のほうが成長が速いのはそういう理由もあるかもしれん
— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) April 16, 2019
「上手く描きたい」が先に立つと楽しくない
上手く描くことに一生懸命になりすぎると、描きたいものを忘れることがある
プロになるとそうなりやすいかも自分で「描くもの」を設定しなくてもよいし、「上手く」描いて生活費も稼がないといけない
それが進むと、描きたいものはないのに表現だけは上手くなる
これはあんまり楽しくはない気がする— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) April 17, 2019
もう一つ重要なのが、何を描きたいかですよね
その何かを描く前に、これからやることをしっかりイメージする
それをやらずに、形だけ上手くやろうとすると、それはあまり楽しくない原因になるかなと思ったんですよね
描くのが楽しくなくなる原因ってほとんどこれなのかなっていう気がするんですよ
書きたいものがないのに無理にうまく書こうとしてそうすると、それはねうまく書けないですよ
何を描くか決まってないわけだから
リアルなキャラクターを書きたいのか、漫画のキャラクターを書きたいのかで、「上手い絵」も変わるし、絵の書き方って全然変わってくるんですよね
なのに漠然と上手く書きたいとか、漠然と上手くなりたいと思ってても、それは方向性が定まらないから、いい方向にはいけないわけですよ
ていうのはまあ、当たり前っちゃ当たり前の話ですね
目的があって絵を描くって手段があるということなんですよね
目的は描きたいものを表現すること
そこをしっかり設定しないと、やっぱりゴールがないので、途中の過程はやっぱ楽しくないよねということなんですよね
もうひとつ、楽しくなくなりやすい人の特徴として、プロとして活動してる人ってのがあると思います
実は僕もそうなりかけるときは、たまにあります
、どういうことかっていうとプロっていうか、仕事でを描く時って、基本的に自分で書くもの決めなくていいんですよね
描くものを自分で設定しない
だけど、クオリティの高いものを求められるっていう状態が、結構プロフェッショナルというものかなと思っています
どの職種でもそうですよね
「自分で何を作るか自由に決められます」
って仕事ってあんまないと思うんですよね
まあないと思うよ
仕事って基本的に誰かの助けにならないとお金にならないから
基本他の人の要求とかが入ってくると思うんですね
だけど、いいものだけは作んないといけない
これが絵描きに関していうと、「上手い絵」なわけです
っていうので、自分の気持ちが置いてきぼりになってて、やりたいことがないのに手だけ動かす、みたいな感じになりやすい気がするんすよ
そうするとふと我に変えた時に、
あれ何の為にこれやってんだっけ?
という風になってしまうってのがあるかもしれません
仕事がつまらなくなるのもここが原因ですかね
僕自身も最近やってる仕事でそうなりました
今VRゲーム開発のコンセプトアートをやってるんですが、相手の要求を叶えることを意識しすぎて自分がこの仕事で何をやりたいか?というのがないままに進めようとしていました
そしたらあまり楽しくなくなってきてしまって
そこで今回の話題を考え始めました
「あれ、ちょっとおかしいぞ?」
と
結局楽しむには、自分の欲を元に動かなきゃいかんのです
だから上手く書きたいってのが先に立ったやり方ってのは良くないのかなーと最近の僕は思っています
仕事の中でもただ言われたことだけやるっていうのだけじゃなくて、自分の中でやりたい事ってのはきちんと仕事の中でも作るべきだと、今の僕は思っています
相手の望みを叶えるっていうことももちろん大事なんだけど、仕事を通して自分のやりたい事ってのが実現できてないと、何のために仕事してるのかわかんなくなってくるんだよね
ホントはやりたくない、仕方なくやらされてる
って思った瞬間に何かするのって途端に楽しくなくなると思うんですね
だから、これは自分で望んでやっているのだ、という形にするのが大事です
そのために一番必要なのが、「何をやるか」を意識してみるのがいいのではという感じですね
上手く描くより、描きたいものを描くのが大事
「描くもの」より「上手く描く」が先に立つと楽しくない、というかそもそも絵が描けない
これから描くものをしっかり想像したり、資料を調べたりするのが大事な理由は、そういうことでもある
描くものがはっきりしてれば、あっという間に絵はできるはず
— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) April 17, 2019
子供のように絵を描いてみる利点
自分の書きたいものが思いつかないとか、楽しく書けないっていう人は、やっぱうまく書こうとしすぎてるのかなと思ってて
ただ、この「うまく描こうとしすぎる」って言うのはすごく対処が難しいです
自分でも気づいてないことが多いし
特にすでに上手い人は難しいです
下手な人はうまく書けないからある種楽だと思うんですけど
ちゃんと描けば上手く描ける人にとって、わざわざ下手に絵を描くってのは、結構難しいことなのかなと思うんですよね
すると、上手い絵が先に立った書き方になるので、さっき言ったように書きたいものを忘れやすい気がします
絵を書くってことが空っぽな行為になってしまうと、楽しくなくなるということですね
そこから脱出するには上手く書くってことを一旦脇において、自分が書きたい物っていうものをしっかり意識することが大事になります
コツとして僕が、最近気がついたことは子供の頃を思い出してみると
子供の時に書いてたような絵を書くっていうのがいいと思ってて
子供の時に書いた絵って、関節がどうなってるかとか、空間がどうなってるかとか考えないじゃないですか
見たもの、感じたものをそのまま書くっていうことだと思うんですね
子供が書いた絵って、自分が書きたいというモチベーションだけで出来上がってるっていう気がしていて
そういう風に絵を書いてみるといいと思います
書きたいものがないって本当はありえないはず
それはいきなり上手くう描こうとしてるから、そういう風に思っちゃうんだと思うんですね
コツはちょっとでも描きたいと思ったものを素直に書いてみるって言うことが大事かと
そうすると絵を描く楽しさってのは結構、自然と戻ってくるような気がするんですよね
しかも元々技術がある人だったら、描きたい絵がはっきりしていれば、うまく書くってことは時間をかければできるはずでしょ
だからさっきルーミス先生の、何を描くかが9割って話があったと思うけど、そこをしっかり意識するそのためには、子供が書いたように絵を書いてみるって言うのが一つ対処法としてあるかなと
そこで出来たものって、もちろんうまく書けてないと思うんですけど、自分が書きたいものが表現されていると思うんですね
そうだ
その時のコツを言い忘れてました
描くものが思いつかないって時は、いきなり上手く描こうとしてるのかも
そんな時は子供みたいに絵を描いてみる
技術を無視して「描きたいもの」だけで絵を作れるから楽しい顔、手、など思いついた要素だけで描き、「つなぎ目」を考えないのがコツ
それをあとから「上手い絵」に描きなおせばいい
— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) April 17, 2019
自分が書きたいものの要素を意識しますね
そんで、そこで頭の中で思い浮かんだものをどんどん書いていって
例えば姿のイメージはないけど「笑っている」って事だけはイメージしてたとしますよね
そしたら他のことを考えずに、その「笑ってる」って事だけを素直に書いてみる
次に海の前にいるとか
そういうことを思いついたら、笑っているなんか人間ぽいものの後ろに、何か海っぽい黒いものを書く
みたいなそのぐらいですかね
ポイントは、要素ごとのつなぎ目を意識しないってことです
描きたい要素だけで絵を作って行って、その間をあまり気にしないで書いていくということをやると、結構自分の書きたいものだけで絵が出来上がると思ってます
そのできた絵を、次は「上手い絵」に変えていく
そこで、描きたいものをどれだけ上手く描けるかは技術にかかわってきます
が、少なくとも、最初の段階で、自分の描きたいものは最低限表現できているので、そこで満足感は得られるかなと
技術はまあ訓練すればなんとかなるから
だから自分が書きたい絵っていうものをまずしっかり意識して、それを素直に書いてみると
その後それをうまく書いていくっていうプロセスでやると、絵を楽しく描くっていうことがやりやすいのかなと思います
ということを思ったので、今日ここで書いてみました
ではではまた
高原さと