皆さんお疲れ様です
高原さとです
今日は絵が上手くなりたい人に向けて、おススメの書籍を紹介したいと思います。
後で書きますが、初心者向けではないです。
参考までに、僕の現在の絵はこんな感じです↓
映像やゲームなどでコンセプトアートと呼ばれる作品のイメージを描く仕事をしています
ちなみに2020年と2024年には私自身も絵の本も出版させていただきました↓
「1本の線からはじめる 絵の描き方教室」
「基礎から実践まで全網羅 背景の描き方」
ですのでイラストの技法書に関しては普通の絵描きよりは詳しいです。
初心者とは誰か?
今回の記事で言う初心者とは技術的な意味ではないです
ぼくが思う初心者こんな人です↓
・絵を描く楽しさを経験してない人
・絵を描く習慣がない人
まあつまり、楽しく絵を描く習慣がない人ですね
楽しく絵を描く重要性に関しては以前の記事でも描きました
なぜ上記の初心者にはおススメしないかというと、楽しく絵を描く習慣がないのに上手くなろうとすると、途中で描くのを辞めてしまいやすいからです
絵は描き続けてればある程度上手くなれますので、途中でやめるのは上達するうえでは一番避けなければいけません
そして今回紹介する本は、技術的に割と難しい内容のものが多いです
これを学ぶには、絵を描くのが好きで、描くのが習慣化していないと、難しさと面倒くささに負けてしまいます
なので、上記に該当する初心者の人はまずは、好きな絵や自分が描きたい絵を探して、見よう見まねで描くと良いと思います
最初は上手く描くより楽しく描くようにしてください
上手くなるための方法や描き方の本は、自分が「絵を描くのって楽しーなー」と思えて、定期的に絵を描くようになってから買うのがいいです
それがあれば、例え最初は下手でも描き続けることが出来るので、上手くなることが出来ます
基本的なことはネットの資料で十分
僕が思う本を買うこと得られるメリットは下記のような点です
本を買うメリット
・体系的な知識が得られることがある
・稀に、そこでしか読めない情報が書いてあることがある
・読むだけで成長した気分になれることがある
本の紹介はまだかよ
まあそう慌てないで
わざわざこの記事を読んでる人は、絵の本を探してるはずです
水を差すようで悪いですが、絵に関しては、本を買わないとわからないようなことは僕が知る限りではほとんどありません
特にノウハウに関しては!
本を買わないと得られない情報は主に、未公開のボツ絵などの資料系です!
じゃあ、どこでノウハウや描き方を学べばいいの?
ネットです
「ネットの情報は不確かで部分的」と言われたのはもはや過去の話
まあ不確かなのは変わってないが、物量はとんでもなく多くなりました
もはやネットだけで体系的に何かを学ぶのは不可能でないと思われます
特に絵の描き方は、pixiv、Youtube、個人ブログ、まとめサイトなど、多くの場所で情報がまとめられてます
僕は絵を独学で勉強してプロになりましたが、僕の頭にある絵の知識や描き方は半分くらいネットの動画や記事、まとめサイトで得たものです
また、僕自身、YouTubeやブログなどで、無料で絵に関する情報を公開しています
「手の描き方」「髪の描き方」など○〇の描き方系ノウハウに関しては、絵に関する情報メディアやまとめサイトからかなりの情報が得られます
pixivision
お絵描き図鑑
お絵描き初心者の学習部屋←僕はこのサイトが好きで良く参考にしていました
また、参考にならない絵の本の典型として、「まずこうします」「次にこうします」など、作業工程をただ羅列するだけのものがあげられますが、そういう本を買うぐらいならYoutubeのメイキング動画を見る方がいいです↓
Youtubeのワコムチャンネル
手元も写っているので、ツールの使い方、ペンの持ち方、ソフトの使い方など、単純な描き方以外にも多くのことを学べます
上記のチャンネルは一例です
他にも、水彩画の描き方、コピックの使い方など、画材ごとに紹介しているチャンネルもあります
ソフトの使い方なども同様にネットで学ぶことが出来ます
僕自身のYoutubeチャンネルでも絵やCGのメイキング動画を公開してたりします↓
特定の絵師さんの絵が見たい場合でも、有名な人の絵はネットで見られるものも多いです
作者自身がTwitterやpixivなどに絵をたくさんあげていますから、それを参考にすればいいのです
模写する絵や見本の絵を探すなら画集を買うよりまずはググった方がいいです
とまあ色々と絵の本を買わなくていい理由を述べました
上記の理由から僕が絵の本を買うときは下記のポイントを意識して選びます
その本をわざわざ買わないと見れない絵・写真や情報が載っていること
Googl検索やYoutubeなど、ネット上の無料コンテンツでは見られるのでは買う意味がないです
例を挙げると、ラフな絵や未完成の絵は世に出ないことが多く、そういうものは設定資料集などを買わないとみられなかったりします
今回紹介する本は、上記の点を意識して選びました
もっと上達したいMな人が読む本
お待たせしました!
技術的にも脱初心者したい人がやると良い本をまとめました
本を読んでも絵は上手くなりませんので、本を見ながら自分でも描いてみる前提で紹介しています
【アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術】
その名のとおり、最速でなんでも描けるようになるために、基本的な絵の描き方を根本から解説してくれてる本です。
人物画に加え、空間表現や動きのある絵を描くための考え方もわかりやすく解説してくれてます
また、載っている絵がシンプルなので、そういう意味では技術的な初心者にもおすすめできます。
ただ、かなり理屈を詰めて、精確な絵を描くための考え方なので、楽しく描く習慣がないとキツイかもです
今まで自分が無意識に感覚で描いていた描き方を改めるのにおすすめです。
【ファンタジー背景の描き方】
ちょうど、初心者から中級者(プロ)を目指す人におすすめです
「○〇の描き方」というタイトルの本は、前述のとおり、ネットの情報に負けてる本が多いのですが、この本はとても良いです。
背景の描き方とありますが、背景以外にも応用できます。参考のイラストの描き方を工程ごとに紹介しながら、随時ポイントを解説するというオーソドックスな構成ですが、立体の捉え方、色の選び方、構図の考え方、ツールの使い方など、わかりやすく網羅的に解説してあり、とてもいいです
そして紹介してある絵の枚数が多く、情報量も多いです。ネットでいい資料を探すより、この本を読んでもいいかなと思えるほんでした
【優しい人物画】
優しくないです
描き方の解説も少ない
ただ載っている絵がいいので、模写するのには良いと思います
ちゃんと絵を勉強している感じのする本です
人物画をもっとちゃんとやりたい人が買うのがおすすめです
ぼくも実はこの本を最初のころに模写してました
意外と絵や仕事の考え方の話も面白いです
というか原題は「Figure Drawing For All It’s Worth」なんで、優しいとか初心者とか一言も書いてないです。
【動物画の描き方】
描き方と描いてありますが、あまり描き方を解説してません
ただ、色々な動物の絵が適度にたくさん載っているので模写するのにとてもいいです
他にも動物画の本は多いですが、この本の絵も解説も詳しすぎず、情報量がちょうど良く、描けそうな気がしてきます
やさしい人物画をやるのは疲れるので、合間にこの本をやると楽しいです
値段も安い
ただ鳥が載っていないのが弱点
さらに上達したいドMな人が読む本
すでにある程度絵が描けないと役に立たなそうな本です
情報量が多くて難解です
持ってるとドヤれます
【スカルプターのための美術解剖学】
解剖学に関する本です
タイトルの通り、彫刻家のために作られた本ですが、絵を描くのにもとても役に立ちます
僕が知る限り、人体に関して一番詳しく解説してくれてる本です
写真・CG・絵・図解など視覚的な情報が多く、参考資料としてとても役に立ちます
難点は詳しすぎることと、絵があまり載っていないこと
詳細に書かれすぎてて、この本を最初から覚えようとしたら確実に挫折します
前述の優しい人物画などで、ある程度解剖学について知っている人が読むと理解が深まると思います
僕の場合は、分からないところを調べるのに使うようにしてます
また、絵を描くために書かれた本ではないので、模写対象としても余り適してないように思います
資料をみて「あーなるほどね~」と言って自分の作品にある程度反映できる人向けです
【カラー&ライト~リアリズムのための色彩と光の描き方】
光と色について体系的に解説してくれてる本です
タイトルに描き方とありますが、あまり絵の描き方は解説してくれていません
どちらかというと色の情報をどうやって絵に置き換えればいいか?など色に関する考え方を解説してくれています
色やライティングに関してもう少し深く知りたい人におすすめです
ただこちらもすでにある程度色や絵についてわかっている人が読む本という感じです
また載っている絵も模写対象としてあまりいい感じはしません
なので全く色についてわからない人はまずはネットの資料やYouTubeなどで勉強すると良いと思います
【スコットロバートソンのHow to Draw】
パースを使ったメカや背景の描き方について解説してくれてる本です
僕はパースの勉強のために買いました
値段は高いですが、作画の解説が大変丁寧で、順番通り追うことができます
また、色々な人が描いた絵を紹介しながら進むのでわかりやすく、みてるだけでも楽しいです
仕事でどう使うか等まで話してくれてます
難点は詳しすぎること
既にパースや空間表現についてなんとなく理解してる人が読むべきだと思います
全くパースがわからない人は、まずはネットの資料で勉強するのがいいと思います
基本的なことはググればでてきますし、YouTubeでも解説動画があります
ワクワクして絵を描くモチベーションが上がる本
ここは好きな絵描きさんの画集を見るのがいいと思います
上手くなった気分になるのは、モチベーションの観点でかなりバカにできないところがあります。
自分で思い込んでいれば、難しい構図や描いたことのないモチーフにも果敢に挑戦できます。
ここで紹介した本は買わないと見れない絵がたくさん載っている本です
5倍の値段でも買います
【吉成曜画集】
「リトルウィッチアカデミア」等のアニメ監督の吉成曜さんのラフスケッチ画集です
超絶画力のスケッチが大量に収録されており、見てるだけでも鼻血が出ます
こういうラフな絵は、なかなか世に出ないので、本を買う価値があります
またラフな絵は描き手の試行錯誤がたくさん詰まっているので、描き方の勉強にもなります
そして吉成さんの絵は、模写するととても上手くなった気分になれます
【スタジオジブリレイアウト展図録】
ジブリ作品のレイアウトが大量に載っている本です
特に解説しませんが、すごいです
展覧会の図録なので、絶版にならないうちに買っておくことをお勧めします
絵描きの考え方や経歴がわかる本
ここで紹介するのは、絵の描き方ではなく、考え方を中心に解説してくれてる本です
こういうのは意外とネットでは見られない業界情報が載ってたりします
【ネット描学】
漫画家、イラストレーター、ドット絵師、会社勤めの絵師など、いろいろなプロの絵描きにインタビューしてる本です
経歴やスタイルの違う絵描きさんの考え方を一度に知れるのがとても勉強になります
会社員とフリーランスイラストレーターの違いに関するプロ目線の意見も参考になります
個人的にはLM7さんなど、あまり発言をしない絵師さんの話が載っていたのがうれしかったです
【ファンタジーの世界観を描く】
こちらはコンセプトアートの描き方を考え方を解説してくれている本です
僕は今の仕事を始める前にこの本を読んで、「コンセプトアーティストになりたい!」と思いました
日本語でコンセプトアートについて体系的にまとめている本は、僕の知る限りこの本だけです
絵の描き方の解説と、仕事の進め方、コンセプトアートの考え方を学べます
おすすめです
まとめ:本を読んでも絵はうまくならない
いかがでしたでしょうか
初心者におすすめの絵の本の紹介はたくさんありましたが、初心者におすすめしない絵の本の紹介はすくないのでは、と思って今回の記事を書いてみました
若干本を買うことに対して否定的な発言をしましたが、僕自身本を読むのは大好きです
役に立つ本も多いです
ただ絵に関しては、最初にも書きましたが、初心者の頃はとにかく好きなものを楽しく描くのがおススメです
上手くなりたいにしても、その気持ちをしっかり味わっておかないと後が続きません
また、絵に限らずですが、本を読むだけでは成長することは難しいので、読んだ後、もしくは読みながら実践していくのが大事だなーと僕は常々思っています
ちなみに実はこの記事を書いている高原も2020年と2023年に絵の本を出したことがあります。↓
「1本の線からはじめる 絵の描き方教室」
「基礎から実践まで全網羅 背景の描き方」
本を紹介する記事で自分の本を薦めるのもポジショントークになりますね。
一応記事に趣旨に漏れず、おすすめはしないでおきます。
自分で本を出すことになるとは思わず、「ほとんどネットの資料で十分」という内容を書いてしましました。
まさか自分が本を書く側に回るとは思いませんでしたが、色々な人の本を読んでいたことが執筆の時にも役立ったと思います。
ではではまた