<なんとなく空間を把握して絵を描くコツ>
①箱をたくさん描く(これが一番難しい)
②空間を分割してモノを置く
③ジグザグに描く、置く
モノが傾くと消失点はアイレベルの上に乗らず、それぞれのモノに対して発生する
なのでパースの通りにモノのシルエットが並んでるとむしろ不自然に見える pic.twitter.com/qeiMGvhicU
— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) November 3, 2018
皆さんお疲れ様です
コンセプトアーティストの高原さとです!
ところで
絵描きのみなさん
奥行きや空間のある絵を描くのって難しいですよね
良く知らんけど、パースってやつに合わせて描けばいんでしょ!!
いえいえ!実はパースだけじゃ奥行きは表現しにくいんです
パースに関しては今回は深く解説しませんが、パース(透視図法)は平面上のモノの見え方のルールでしかありません
パースは広さにかかわらず一定なので、「パースに合わす」だけでは空間の広さの表現はできないんです
そこで今回は、奥行きのある絵を描くためのコツを3つ解説したいと思います!!
良く言われる基本的なパースのルールに関しては、既に多くの記事で解説されてるので、他の記事をみてください
パースがわからなくて奥行きが出せない~
と悩んでる人!
安心してください!
パースだけがすべてじゃないよ
しかもパースって描いててもつまらないですしね!
では行ってみましょー!
Youtubeでも空間の描き方と練習法を解説しました!
こちらも↓参考にしてみてください
【背景が描けない】奥行きのある絵の描き方と練習法【パースいらず?】
①箱を置いて空間を考える
まず一つ目はこれ
「箱を描く」
箱をたくさん描くと空間をつかみやすいです。
初心者の人は全体のパースを厳密に考え勝ちです。
パースよりも単に箱を置くだけと考えた方が簡単に考えやすいです。
手順としては
まず一つ箱を描きます。
次に二つ目の箱を描きます
二つ目を違和感なく描ければ3つ目以降は同じ要領で描けます。
パースを取らずに箱が二つ描ける人は、どんな空間でも描けると思います
と、さらっと描いてますが、
これ、めっちゃ難しいです
まず一つ目、「一つ箱を描く」
これがまず難しい!!!
箱がどの角度からでも同じ形に見えるように描くのはめちゃむずいです。
簡単でしょ~
と思ったそこのあなた、描いてみてください
なかなか難しいでしょ
次に「二つ目の箱を描く」
ここも別次元の難しさです!!!
リンゴを一つ描くのと二つ描くのじゃ難易度が段違いだ、と昔どこかの美術の先生も言ってた気がします。(誰だ)
二つモノを同じ空間に違和感なく描けるなら、あとはいくつモノを増やしても、同じ空間に違和感なく描くことができます。
大きな箱が置けたらそれを下地に上から、いくらでも小さな箱を置いたり、情報を足したりすればいいわけです。
なので背景が描けない人は、箱を二つ描けるようにしたらいいと思います。
ちなみに僕は描けません
箱を二つちゃんと同じ空間にあるように見えるように色んな角度から描けるなら、その人はきっとすごく絵が上手い人です。
最初に大きい箱を描いた方が空間がわかりやすいです。
正確に箱を描くなんて無理だよーと思った人
なんとなく同じ空間にあるように見えれば正確じゃなくても大丈夫
パースはズレても傾いて見えるだけです。
「パースがおかしい」と言われたら「そこは傾いてるんです(ドヤ)」と言えば問題ないです。
ちなみに最初の箱のスケッチの絵はこうなるよ↓
こういう絵が描きたい人はこちらの記事もおススメ↓
②空間の中を分割して密度を作る
二つ目はこれ!
「空間を分割する!」
こっちのが簡単です
さっきのは難しすぎたよ…
箱の中を奥に向かって分割すると奥行きが出ます。
空間の中の側面を分割すると、奥行きの情報が圧縮されるので、同じシルエットでも空間が広く見えます
パースのラインが出ない空間や均一な空間で奥行きを出すには、空間内の密度を描かないといけない
写真の場合は情報が細かいので、奥行きにどれぐらいの密度があるかがわかりやすいです。
一方、絵はシルエットや境界線の内側の情報がすごく少ないので、奥行きが出にくい。
だから写真をなぞってパースやシルエットを合わせても、空間の密度を示す情報を意図的に描かないと同じ広さの空間に見えないのです。
下の二枚の写真を見てください。右の絵は左の写真のパースラインをなぞったものです。
大体のシルエットはあってるはずなのに空間の広さの印象が全然違うのがわかると思います。
右の絵は狭く、平面的に見えますね。
「パースだけじゃ奥行きは表現しにくい」というのはこういうことです
これは奥行きの分割や密度の情報が絵の中に入ってないからなのです。
この写真で言えば、積んである荷物の柵やタイヤ、フォークリフトや人物の情報などがそうです。
これを意図的に入れないと、たとえ現実の写真で合っても奥行きは出ません
なので、絵を描く時に奥行きを出すには、パースを合わせるだけでなく、奥行きの密度や空間の分割を示す情報を意図的に描く必要があります。
柱や窓、床の目地など、奥行きの圧縮の具合を示す線を見逃さずに描く必要があります。
柱とかがないなら、奥行きの分割具合に合わせてモノを奥に向かって意図的に配置して、どれくらい奥行きに密度があるのかを説明するといいです。
③ジグザグに線を引く、モノを置く
奥に向かってジグザグにモノを並べたり、線を引くだけです。
川、道、地面のヒビなど、奥へ向かう自由な線をがあるときはジグザグ描くといいのです。
ジグザグの奥の密度を変えると奥行きを調節できます。ジグザグの奥の密度を細かくすると広く見えます。
この写真がまさにわかりやすいです。
ここから川を取るとこうなります↓
まだ地形にジグザグのラインがあるからいいですが、それでもかなり奥行きがなくなりましたね
直接ジグザグの線が見えなくても、ジグザグを意識してその上にモノをのせると奥行きがでやすいです。
お試しあれ!
パースや空間を勉強するのにおススメの本
「スコット・ロバートソンのHOW TO DRAW」
という本です
すごく有名な本ですが、パースや空間に関して、こちらの本はおすすめです↓
僕も大学生の時に買いました。
これと「カラー&ライト」は定番ですよね↓。
パースや空間について、たくさんの絵やスケッチを交えてめっちゃ詳しく解説してくれています。
ただちょっと詳しすぎるところもあるので、載っている絵を真似して描くぐらいでもいいかもしれません。
あとはアニメ私塾の本もおススメです!
「最速でなんでも描けるうようになるキャラ作画の技術」
僕もアニメ私塾に入ってから、空間の認識力がちょっとあがりました
この本にはアニメ私塾のノウハウが詰まっているのでおススメです
パースだけじゃなく、超基本的な人物の描き方から学べます
上記の本は、かなり体系建てて解説してくれてる珍しい本です
本を読んで理解できなければ、道をスケッチしてみましょう!↓
結局文章を読むより、自分で風景を観察して絵を描く方が勉強になる、、という結論にいつもいたりますけどもね
ではまた
高原さと
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背景の描き方だけでなく、絵を描くための考え方やアイデアの出し方なども取り入れました。
普段あまり背景を描いてない人でも参考になると思います。
是非よろしくお願いいたします!!https://t.co/0TjW2MeyCe pic.twitter.com/ulE30n1Msu— 高原さと,SatoTakahara (@ART_takahara) November 26, 2020