プロダクションアートとは
1.はじめに
今日はプロダクションアートについて話したいと思います
映像制作やゲーム制作において、コンセプトアートと双璧をなすアートスタッフの重要な役割です。
プロダクションアートは、コンセプトアートができた後につくります。実際に映像やゲームを作るために必要な情報を詳細に描きます。
コンセプトアートが、全く何も見えない霧の中から、ゴールへの道をぼんやりと照らす蝋燭の光だとしたら、プロダクションアートではゴールまでの道筋を一直線ではっきりと照らす懐中電灯です。(よくわらないな。。)
2.プロダクションアートはいつ描くのか
前回の記事で「コンセプトアートの目的はゴールの方向性を示し、コストを削減することと、最終成果物のクオリティをアップさせることだ」と言いました。
ま、確かにその通りなんですが、コンセプトアートの段階だと、まだざっくりとした方向性や雰囲気しか描かないことがあるんですね。
もし詳細に描いてあったとしても、プロダクションアートで修正する必要があります。と言うか、ほとんど場合そうなること多いです。
なぜなら、コンセプトアートを描く段階ではそのプロジェクトがの詳細が決まっていなかったり、脚本ができていない、演出が決まっていない、など不確定なこと多いからです。
だからこそコンセプトアートを書くことでその方向性を定めたいわけです。
ハリウッド映画なのでも初期のコンセプトアートと最終的な映像は全然違うものだったりします。
コンセプトあくまでもコンセプト。雰囲気や方向性がディテールよりもまず重要です。
とはいえ、じゃあコンセプトアートにディテールを全く描かなくていいか、と言うとそうでもないんです。この辺は複雑でワークフローにも関係しています。
というのはコンセプトアートを作った後に、きちんとプロダクションアートを描く時間があるプロジェクトは稀です。ちゃんと予算があるプロジェクトだけです。
そもそも日本でちゃんとプロダクションアートの時間を十分に確保しているスタジオってほとんどないんじゃないかな。
そういう時はラフなコンセプトだけで作られちゃう場合もあるので気をつけてください。
スケジュールやプロジェクトの状況を把握してアートを作りましょう。
3.コンセプトアートとプロダクションアートの違い
僕もコンセプトアートとプロダクションアートの明確な違いを あまり分かっていません。
まぁ上で述べたように、いつもいつも両方の時間を確保できるわけじゃないんで、そこまで厳密に分ける必要ないんですけど。
ひとまずコンセプトアートで大体の方向性を定めて、プロダクションアートで詳細を決めるというような理解です。
実際にどうやってプロダクションアートを作るのかとか、どういう風に描くのかっていうのをここに例を出して説明したいんですけど、ちょっと今日は今日は用意できてません。
コンセプトアートの描き方やプロダクションアートの作り方みたいな実践的な内容は、改めて画像などの資料を用意してやりたいと思います。
今日はとりあえずプロダクションアートというものがあるということを知ってもらいたいです 。
以前にツイートもしたんですが、コンセプトアートよりプロダクションアートを書いている時間の方がかなり長いです。
コンセプトアートはプロダクションと呼ばれるプロダクションの前の準備期間に描かれることが多いです。
プロダクションというのは本制作のことです。
そしてプリプロの段階のアートでは大体の方向性しか決めないので、実際にプロジェクトが走り出して、色々なものが必要になってきた段階で、改めて詳細なアートを作成します。
なのでプロダクションアートはものすごくいっぱい描かないといけません。
みんなコンセプトアートって言うと、ドラマチックなライティングの風景画とか、なんか暗い雰囲気で、霧が立ち込めていて、手前に魔法使いみたいなやつが立っていて、奥に城が建っている、、、みたいな。。
そういうのばかりじゃないんですよ。。。
アセット用のアートだと、キャラクターももちろん描きますし、キャラクターの服とかキャラクターの靴とか。
ステージのデザインであったりとか、そのステージの中に入っている prop、 例えば部屋の隅のゴミ箱や照明など。
ライティング以降の工程のために、シークエンスごとに作るカラースクリプトやカラーキー等のライティング設計に必要な絵も、プロダクションアートの一部です。
多いですね。。。
変な絵を描くと後のスタッフに迷惑がかかる
最終的に作るものは、全て描けたら理想的なんですけど、実際は全部は作れません。
なので重要な部分であったりとか、デザインの必要性がある部分、たくさん映る部分を中心にプロダクションアートでデザインを決めていきます。
んで、そのプロダクションアートがモデラーをはじめとするプロダクションのスタッフに流れて、実際に映像やゲーム等の最終的なコンテンツとして、作ってもらうわけです。
映像やゲームの場合はこのプロダクションアートがダメだと、本当にダメなものになってしまいます。
モデラーが優秀であったら、頑張ってアートの間違いを直しながら作ってくれるときもあります。
でもそうなると、もうアートがいる意味がないですよね。
だってその手間を省いたりするのが、アートの目的だったわけですから。
アートが間違っているなんてモデラーは思っていません。
だからわかりやすく説得力がある、しかしかっこいいアート出さなければいけないのです。
大変申し訳ないことに、いつもそういうアートばかりを出せるわけじゃないんですけど。プロダクションの皆さんいつもご迷惑をおかけして申し訳ありません笑
おわりに
さて今日はプロダクションアートというものについて説明しました。
実際にどうやって描くかとか、どんなことに気をつけて描くかっていうことは、また改めてノートにまとめたいと思います。
めっちゃ長くなってましたね。
なるべく毎日投稿したいので、もう少し短くまとめて、楽しく続けられるようにしたいです。雑談でも話したい事たくさんあるので。
暑くなってきたので、皆さんも体調に気をつけて、ものづくりを楽しんでください。
ではまた明日