描きたい絵と評価のバランス
*この記事はvoicyの#8やりたいことVS他人の評価を参考に書かれています。
今日はですね、質問に答える回をやっていこうかなと思います。
ただね、ちょっといい質問が来たんで、掘り下げられたら掘り下げていきたいな、という風に思っています。
まず一つ目の質問を読み上げさせていただきます。
voicyからいただきました。
さゆらさんからいただいております。
読み上げます。
「はじめまして。
voicyで最近高原さんを知りフォローさせていただきました。
毎回興味深く、勉強になり、楽しく拝聴しております。
私は現在20歳で、時々のお仕事をしていただけている状態なのですが、少し悩んでいることがあり、高原さんの考えをお伺いできればと思いました。
高原さんは自分が描きたい絵や内容で現在に至ったのでしょうか。
言い方が悪いですが、ウケる内容や要素は必要だと思いますでしょうか。
また売り込みをする際に大切なことなどアドバイスがございましたら、お伺いしたいです。
よろしくお願いします。」
というご質問をいただきました。
さゆらさん、ありがとうございます。
そうですね、ありがとうございます、フォローしていただいて。
勉強になっているとのことなので、大変嬉しいです。
二十歳で、もう絵の仕事もらえるんですね。
すごいなあ。
その時点でかなりすごいと思うんで
仕事をもらえるかもらえないかってのが一番ハードルがあるところなんで
最低限もらえるレベルまで達していれば、そこまでいけばとりあえず自信をもって後は頑張れば良いんじゃないかなと思うんですけど。
そうですね。
自分が描きたい絵や内容で現在に至ったのでしょうか、ていうのは、要するに描きたい絵を描いた方が良いか評価されるものを描いた方が良いかってことですよね、このウケる内容や要素はってことですよね。
ウケるってのは流行りのものとか、なんていうか流行りの絵柄とかですかね。
後、需要があるものとかってことですかね。
そういったものをやっていったのかってことかな。
僕はどちらかというと、ウケる方を狙ってやってきた方ですね。
申し訳ないっていうか、「言い方悪いです」て書いてあるんですけど、ウケを狙ってつくるっていうことにあんまり良い印象を、この方は抱いていないのかもしれないですけど、
デザイナーの仕事って本来、そのウケることをやる仕事だと思いますね。
相手が望むものをつくる仕事なので、イラストレーターも結局デザイナーと同じだと僕は思っています。
お客様商売っていうか、頼まれてものをつくるってことなので、基本的には相手に喜んでもらう、依頼してくれた人もそうだし、絵を、本にあるんだったら、その本を読んだ人が絵を見て喜ぶような内容にするっていうのが基本になると思うので、ウケを狙ってつくるってのが大前提なので、そこをまず外さないっていうことですね。
そこは前提なんで、描きたいことをやってからウケる要素を足すんじゃなくて、まずどうすればウケるかってのを先に考えるっていうのが、一応僕的にはそうあるべきだと思いますね。
デザイナーはそういう風にするべきだと思いますね。
そうすると結局、言われたことだけやってればいいのかって話になるのかもしれないですけど、極論言われたことを本当に出来るんだったら、例えば、ディズニーと同じクオリティでつくってください、って言われたら、それで出来るじゃないですか。
でもそれってなかなか難しいと思うんですよね。
本当にそのウケる内容とかがつくれるんだったら、それは相当な技術が必要で、でも僕が見てる限りでもほとんどの人が、それが出来てないんですよね。
ウケるっていうか、相手が望むものとかをうまく達成できてない人が大多数なのかなって思いますね。
それが出来てないクセに、クセにとか言っちゃだめですね。
出来てないクセに自分のやりたいこととかをそこに入れようとする人もいるんですけど、いやいやまずその前にさ、みたいな。
その前に、まず相手からこういう風に描いてくれって言われたら、それがまず描けるようになろうよっていうことがありますね。
ていう風に僕は思ったんですよ、描いてたときに。
これは別に質問者さんに、そうしろっていう話じゃなく、僕はそういう風に思ったんですね。
なんで、僕は基本的にどんなものを描けるようにしておこうっていう風に考えてやってましたね。
まずそれでプロになるのが先決だから。
それでちゃんと仕事出来るようになっていって、その中でそれなりに力量が認められてきたら、その仕事と並行して自分がやりたいことはコツコツコツコツやってって、要所要所で、相手の要求というか、良い評価をいただくっていう前提で、そこをまず目指す。
そこをまず目指して、そのライン上から外れずに自分のやりたいことが乗せられそうだったら、そのライン上で自分のやりたいことを乗せる、ていうのが良いやり方なのかなっていう風に思いました。
その人から頼まれて何かをつくるっていうときは、何でもそういう風にすべきかなという風に思っております。
ていう感じなんで、自分が描きたい絵や内容で現在に至った訳ではないですね、僕は。
どういうものが好まれる、どういう絵が好まれるかとか、どういう風なプロセスで描いていった方が、その相手の要求に対応しやすいかとか、後はその需要があるかとか、描く人があんまりいないかとか、たくさんいるのかとかそういうことも考えながら僕は描いていました。
質問もう一個ありましたね。
「売り込みをする際に大切なことなどアドバイスがございましたら」
ということなんですけど、売り込みを僕あんまりしたことないんで、ちょっと分からないんですけど、でもイラストレーターとかだったら、してますよね。
出版社に電話かけて、絵を見てください、みたいな感じで。
売り込みをしてたって話を聞いたことがあります。
売り込みをする際、んー、売り込みかあ。
多分これってポートフォリオつくるときと同じだと思いますね。
就活のときにも、僕もポートフォリオをつくって会社に送ったんですけど。
まあ就活じゃなくてもそうか、売り込みってポートフォリオのつくり方で合ってると思いますね。
ポートフォリオどうやってつくるかっていうことが、結構売り込みのときの重要なポイントなんじゃないかなって思うんで、その話をすると、まず最初にやりたいことをアピールするっていうのが良いかもしれないですね。
自分から売り込みに行くんで、「あなたは何がやりたいの」ていうことと、「あなたは何ができるの」ていうことが、多分相手はまず知りたいことだと思うんですよね。
でも自分もなるべくやりたいことやりたいじゃないですか、折角仕事するんだったら。
だからまず最初にやりたいこと言った方が良いですよ。
やりたいこと言った方が良い、ていうかやりたいことを主張する作品集というかポートフォリオを持っていくんですね。
最初の方に自分が一番やりたいこと、キャラクターがやりたいんだったら、それにキャラクターの絵を載せていって、「私キャラクターの絵が描きたいんです」っていう「こういう感じのものがやりたいんです」ていう風に、売り込みをすると良いんですよ。
でもそれだけだと、その仕事が今そこにないと仕事もらえないじゃないですか。
なんで、「でもそれだけじゃなくて、私色んなことできるんです」ていうのを、その後でアピールしていくと良いと思いますね。
だからまずやりたいこと最初にアピールして、その後に自分はでもこれだけじゃないんです、と。
自分は他にも色々出来るんことあるんですよっていう風なアピールの仕方をすると結構良いかなって風に思います。
スペシャリストなのかジェネラリストなのか、ていうような議論て前あったと思うんですけど、やっぱりこれからはジェネラリスト兼スペシャリストっていうのが良いかなと思います。
色々全部やれます、と。
全部っていうか、色々出来るけどこれが一番できます、ていうような言い方をすると、相手はすごく安心するんですね。
それしか出来ないのかっていう風に、これだけしかやりたくないんですっていう風に言っちゃうと、やっぱりレンジが狭くなるっていうか、頼みづらくなる。
そのときその仕事がなかったら頼めないし、ていうのがあるんで、やりたいことをアピールしつつ、でも他のことも出来ますよっていうことをアピールすると良いと思うんで、こんな感じで売り込みをしていくと良いんじゃないかなと思いました。
参考にしてみてください。
でも今ならやりたいことだけやればいいのかも
そんな感じで、質問に答えていったんですけど、このテーマ結構深いんで、深いテーマを含んでたんで、ちょっと広げていこうかなと思っていて。
他の要素も含んでたと思うんですけど、僕が面白いなって思ったのは、ウケる内容が必要かどうかっていうことが結構面白いテーマかなと思って、すごい昔から議論されてることだと思うんですけど、やりたいことをやるべきか、評価されるものをやった方が良いか。
評価されるって結局相手の要求を予想したりとか、要求をきちんと受け取って、それを考えてなるべく広いレンジに、広い層に向けて、流行とかね、そういうのを考えつつウケるものをつくっていった方が良いかっていうような話。
これは結構考えた方が良いかなと思って、一回まとめてみようかなと思います。
さっきの質問に答えたときは、僕はやりたいことよりウケる内容とか、求められていることっていうのを主軸において、先にそっちをできるようにしてきましたっていうに風に言ったんですけど、それって確かにちょっと前までは、10年ぐらい前まではそれで良かったのかもしれないですけど、今はそれじゃなくても良かったなっていう風に思っていて。
ていうのは、評価されるっていうか色んな人に喜んでもらうとか、他者に喜んでもらうっていうことを最初に考えると、売れるものをつくろうとか、そういうことですよね。
そういうものに近いと思うんですけど、それって結局、他の人もそういう発想って出来るんですよ。
他のデザイナーも同じようなことって考えられるし。
でもそうですね、デザイナーだったら結局そうか。
デザイナーだったら結局ウケを意識しなくちゃいけないんですけど、だからデザイナーじゃない方面でいくっていうのが今はいけるんじゃないかなって思っていて。
自分がやりたいことだけをやる。
他の人がこうしてほしいとかそういうの全然聞かないで、まあやりたいことしかやらない、ていうのが今の時代だったら成立するようになってきてるかなって風に僕は思います。
昔だったら、それだとさっき言ったように、やりたいことしかやらないってのは、世の中に需要がなかったら、もう死ぬしかない、ていうか仕事絶対来ないし、誰も買う人もいない、てなると思うんですけど、今はネットがあるんで、自分が本当に好きなものとかをつくっていれば、同じようなものが好きな人って必ずいるんですよね。
必ずいるし、それがネットを通じてつながりやすくなっているんで。
自分がやりたいこととか、自分が好きなことだけ突き詰めて、それを世に発信していって、それを見た人の中で気に入った人にだけ仕事をもらう
ていう風なプロセスでも今はいけるかなっていう風に思いましたね。
僕はちょっと間口を広げたかったんで、最初に需要とかを考えて、仕事になりそうなこととか、要求に答えやすいような絵のつくり方っていうのを意識したんです
けど、そうじゃなくて今だったら、もしかしたら、そのやりたいこと、これしか描かないみたいな、これだけしか描きませんっていうような感じで、その代わり本当に自分がやりたいことをやっておくと、結局他の人がなかなか真似出来ないものになったりしやすいんですよね。
ウケとか評価を狙ったことって、売れるものをつくりたいとかってみんな考えてるんですよ。世界中の、絵描きに限らず、なにかつくってる人たちが結構そういうこと考えてきてるし、今もマーケティングとかの人たちはそういうことに頭をひねってると思うですよね。
どうすれば売れるかっていうのは。
ウケを狙うってことを突き詰めて突き詰めて、っていう風にやってるのがマーケティングだと思うんで、そう考えると、でもそれって結局みんな考えてるから、やっぱり簡単にそこは真似しやすいところだと思うし、むしろ激戦区なんですよね、ウケる内容をやるっていうのは。
だから、じゃなくてむしろウケない内容、ウケないっていうか自分が本当にやりたい内容っていうのをやっていくと、割と再現性の低いことが出来るかもなあ、っていう風に思ったりはします。
ていうようなことに、僕も最近になって気が付きまして、「あ、俺間違ってたかもなぁ」ていう風に思い始めて、今は逆に、どうやって売ろうとか、どうやって多くの人に届けようとか、そういうことよりも自分がやりたいこと、それだけですね。
本当に自分がやりたいことだけやって、それを見て、良いと思った人にだけお金をもらうっていうのが、今はネット発達してきてるんで成立してきてるかな、という風に思っています。
もしそれがやりたいんだったら、その多分継続して発信していくってことが重要だと思います。
自分で自由にやれる代わりに、本当に自分からしか世に出て来ないんで、頼まれるのもかなり先だと思うんですよね。
やりたいことをずーっと結構やって、最低何年もやる必要があると思うんですよ。
それで、毎週毎週ツイッターとかpixivとかに絵をずっと投稿し続けっていうようなことをやっていって、自分のつくっているものを良いと思う人だけに売るとか、良いと思う人だけから仕事をもらうっていうようなことをすると良いかなと思います。
なんで、どっちでもいける気がしますけどね。
最初に今、世の中の需要とかを見て、今人気なもの何なのかとか、他の人はどういうものをつくってるのかっていうのを見て、「あ、今こういう絵が流行りなんだ」とか「こういう仕事がいっぱいあるんだ」ていうんで、それをとりあえず網羅的に出来るようにして、その後、とりあえず仕事を出来るようになってから、自分のやりたいこととかをちょっとずつ足していくっていうやり方か、最初から自分が100%やりたい方しかやらないっていうのにするか。
でも多分、分かんないですけど、今二十歳ですよね、出来るんだったらやりたいことしかやらない方が良いかもしれないです。
ただね、絵の場合厄介なのは、絵はやっぱり色々描いた方がうまくなるんですよ。
それもあって、僕は結構最初レンジを広げた方が良いなって思ったんで、色んなものに対応できるように、色んな流行りとかに対応できるような風に訓練しようって言う風に
色んなものを描くためにはそういう風に広げた方が、総合的には良いかなって思って、そこは今もそう思ってますね。
そこが厄介なんだよな。
どうだろう。
でもウケる内容に囚われなくても、もしかしたら良いかなっていう風にも思ったりはします。
すいません、なんかちょっと曖昧な回答になってしまったんですけど、そんな感じです。
参考になれば。
まあ2パターン出したんで、参考になる方を、やりたい方をやっていただければ良いかなっていう風に思います。
とりあえず色々やってみては?
そうそうでも、ただもう一つ言いたいことがあった。
やっぱりやりたいこととか、評価されることとか、他人に求められてることのバランスの話でいうと、確かに今だったらやりたいことだけ突っ走ってもいけるかもしんないですけど、でもそれって最初はやっぱり分かんなかったりするじゃないですか。
それ前も話したんですけど、最初に特に色々やったことがない段階でこれだけでやりたいとか、そういう風に思えなかったりとか、思えたとしても、あれ実は違ったっていう風に後からなる可能性も十分あるじゃないですか。
ていうことを考慮すると、分かんないですけど、でも二十歳ぐらいのときに、これしかやりたくないとか、こういう絵だけしか描きたくないとか、この方向性でいきたいんだっていう覚悟みたいなのが、覚悟っていうか、そこまで強く思えるものがある人って、まだそんなにいない気がするんですよね。
ていうことを考えると、頼まれたものをとりあえず色々描いてみるってのは良いとは思いますけどね。
そっちで色々描いてみて、そしたらこれあんまやりたくないなって思ってやってたけど、意外と面白かったとか、まあそれで本当につまんなかったら、いいじゃないですか。
本当につまんないんだったら
本当につまんないことと、やってないんだけどつまんないと思い込んでるって大分違うじゃないですか。
食わず嫌いっていうかね。
本当につまんなかったら、「ホントマジで、ホントにつまんないわ」っていうので、二度とやんなければ良いだけなんで、そういうことを考えると、そのウケ狙いのものとか、他の人がこれだけ熱狂してるんだから、自分もちょっとはやってみようかなっていうんでやってみて、やっぱり人気なだけあって、それなりの理由があると思うんですね、そこには。
流行りのものとか、世に溢れているものっていうのも。
そういうことをやるのも、結構勉強になるかなっていう風に思うんで、もしそこまで強くやりたいことっていうのが定まっていないのであれば、色々やってみるって中で、ウケるものとか評価されやすいものとか、なんか人気のものとか、そういうものにもチャレンジしていったら、そんなかでね、自分が本当にやりたいことっていうのが段々見えてくるんじゃないかなって思ったりもしました。
そうですね。
なんか人生って、やりたくないことを排除する作業だ、みたいなのを誰かが言ってたんですよね。
ていうのは、何もやったことないと結局何がやりたいかって分かんないじゃないですか。
なんで、これは俺やりたくない、これは私やりたくないっていうんで、これは食べたくない、みたいな感じで。
でも本当にやりたいことを見つけるってのは結局、他にストレスが加わることとか、面倒臭いこととか、面倒臭いっていうか、自分にとって大変なこととかを排除していくっていうのが、ある程度たくさんやっていった方が最終的に本当にやりたいことっていうのに辿り着ける可能性が高いかな、という風に思います。
絵柄はどうやって決まっていく
さて結構深いテーマだったんで、結構喋っちゃいましたけど、もう一個質問が来てたので、もう一つお答えしたいと思います。
ミッドナイトHHHさんからいただきました。
ありがとうございます。
「はじめまして。
ツイッター拝見して、ラジオのファンになりました。
20年ぶりにマンガを描こうと思いたち、昔の描きグセを直すべく、今はマル、縦線、横線、ドローイングなどの基礎練習を空き時間にやっています。
こういう基礎練習から、自分の絵柄になっていく過程が知りたいんです。
好きな作家さんがたくさんいて、それぞれテイストが違っています。闇雲に模写もしますが、描けるキャラと描けないキャラもあります。
やはり模写しやすい絵柄が自分に合っているということで、その方向に向かって絵柄を決めていくのがベターなんでしょうか。」
という質問をいただきました。
ミッドナイトさん、ありがとうございます。
いいですね。
このラジオを聞いて20年ぶりにマンガを描こうと思い立ってくれた方がいると。
素晴らしいですね。
あ、このラジオきっかけじゃないのかな。
きっかけじゃないかもしんないですね。
マンガ描こうと思ったときに、ラジオを聞いたのかもしれないですね。
いやまあ、それはどっちにしてもありがとうございます。
マルや縦線、横線、ドローイング等の基礎練習を空き時間にやっていると。
だから色々描いて自分の絵柄っていうのが、どういう風に決まっていくか、ってことですよね。
いやこれ僕もちょっとよく分かってないですね。
すいません。
なんですけど、考えたことはいっぱいあるんで、これは。
僕自身はまず絵柄ってのはあんまりないです。
まあ見る人が見ればあるのかもしれないですけど、結構描き方も色々やります。
色々描くし、色々変えますし。
自分的には、自分の絵柄ってのが決まってほしくないんですよね、
決まってほしくないから、他の人から「あなたの絵柄はこうだ」みたいなこと言われると、それを否定したくなってくるんですよね。
絵柄っていうか、「あなたってこういう人ですよね」みたいなこと言われると、「いやいやそんなことないんですよ」みたいなことを言いたくなるんですよね。
例えば、「高原さんやっぱ、リアル系の絵がやっぱり高原さんの味ですよね」みたいなこと言われると、「いやいやいや、僕は全然本当は可愛い方が描きたいんですよ」みたいなこと思ったりとか。
「高原さんの絵はみんな可愛いですよね」みたいなこと言われると、「いやいや、僕本当はゾンビとか描きたいんですよ」みたいな。
「こういう絵も描いてるんですよ」みたいなこと言って、見せたりとか、「え、じゃああなたは何なんですか」みたいなこと言われたりするんですよ。
「いや、僕も分かんないんですよね」みたいな感じですね。
ていう感じが自分ではむしろ好きだったりするんで、何者にもなりたくないみたいなところは、自分はありますね。
でもまあ自分の絵柄みたいなのがほしいっていうことなのかな。
自分の絵柄になっていく過程が知りたいかぁ。
結局好きなものがはっきりしていくってことだと思いますね、突き詰めると。
やりたいこととか好きなものがはっきりしていく。
多分僕の場合は、僕の絵柄が決まらないのは、絵柄とかそのものに本質的にあまり興味がないんだと思いますね。
そんなものは表面上のものだから、別にその要求とかに合わせて、まあ自分の気分に合わせて適当にコロコロ変えれば、それでいいやって思っているんですよね、僕の場合は。
その自分の中のアイデアとか考え方の方が、自分は重要視しているんで、後つくるプロセスとかの方を自分は重要視しているんで、その絵柄ってのはあまり僕はこだわってないから、絵柄が定まらないんだと思いますね。
逆に、こういう絵が好きっていうのが、自分の中で明確になっていけば、自ずと絵柄ってのは定まってくるはずです。
そういうことを考えると、今好きな作家さんがたくさんいて、それぞれのテイストが違っている、色んな違う作家さんが好きだから、てことですよね。
それはでも、普通そうですよね。
普通そうだから、そっから自分の絵柄になっていく過程か。
仮説ですけど、有名な人は絵柄が独特でとか、この人の描いてる絵は、絵を見たらその人だって分かったりするじゃないですか。
ONE PIECEだったら、この絵はONE PIECEだとか、NARUTOの人とかも見たらすぐ分かるじゃないですか。
それはその人の絵柄ではあると思うんですよね。
だけど、その人はその絵柄しか描けないかって言うと、そうじゃないですよね。
上手い人は基本的に絵柄なんていくらでも変えられます。
変えられるんで、意図してその絵柄をつくってるんだと思いますね。
だからそこを考えると、意図して自分がこれが一番可愛いと思うとか、そういう風に描いてるんじゃないかな、と思うんで。
だから練習するときは、たくさんの作家さんを描くので良いと思います。
色んなたくさんのテイストを描いた方が、色んな技術も習得できるし、それで自分が好きなものとかもはっきりしてくるんで。
そこで結局自分が描きたいやり方を発見するときがあると思うんですよね。
こういう描き方が自分は好きなんだとか。
他の描き方でももちろん描けます。
描けるんだけど、やっぱりこっちがいいなっていうような感じで決めていくんじゃないかな、と思うんですよね。
だから絵柄って、多分それしか描けないものとは違うと思うんですよ。
明確に意図して自分はこういう絵がすきだから、これを描きたいんだっていうので、決めてるものだと思うんですよね。
決まっていくものじゃなくて。
そう考えると、描きやすい、模写しやすい絵柄が自分に合っているかっていうと、これはそうではないかもしれないですね。
模写しやすい絵柄って結局簡単な絵柄な気がしますけどね。
複雑じゃない絵柄とかなのかな。
なんで、これは後半の質問、模写しやすい絵柄が自分に合っているということで、その方向に向かって絵柄を決めていくべきなんでしょうか、ていうのはそうでもないかもしれないですね。
複雑な方を好む人だっているし、模写は観察して、その人の技術とかを勉強するためのプロセスなんで、模写しやすいから自分の絵柄がそっちに合ってるってのはあんまり関係ないかな、と思います。
模写に関しても、模写しやすいかとかは関係ないんですけど、でもどの模写元を選んでるってのは間違いなくその人の個性だと思うですよ。
第二回で話したと思うんですけど、結局その描くモチーフとかを決めてる時点でその人の個性って反映されるんですよ。
だから無意識に結構全然違うテイストだと思いつつも、意外と似通ってったりしてきたりとか、後は描いてるうちに、模写してみたらやっぱりそんなに好きじゃなかったとか
自分がこういう風に描きたいと思う人の、目標にしたい人の絵を用意して、それを模写していく
技術も磨かれていって、自分のやりたいこととか好きなものの方向性も段々絞れてくると思うんで、段々絞れてくるっていうか、自分の中で分かってくるんだと思うんですね。
こういう絵が描きたいっていう風になった段階で、それを描けば良いんじゃないかなと思います。
ただ個人的な意見としては、別に同じ絵柄だけを描かなくて良いと思うんですよね。
だから、もしどうしても自分だけの絵柄が欲しいんだっていうんであれば、それは多分固定しないとならないです、そういう絵には。
だってもう線画で描いてたら、その人の絵柄になるかもしんないけど、絵の具とか墨とかで描いたら、全然違う絵に見えますよね。
描く姿勢とかね、立って描いたりとかしたら絵とかも変わってくるんで。
それだけで、自分の元の絵柄とは違う絵になってきますよね。
なんかあまり回答になってないな。
まあだから、自分がやりたいと思ったものとか、描きたいと思ったものに気が付いた段階で、その方向性に進んでいくのが良いんじゃないかな、と思います。
結局、やりたくないものとか使いたくない画材とかは、使わなくなっていくと思うんで、そうすると自然と最終的に一つの絵柄に決まっていくのかな、という風に思いますけどね。
ちょっと僕も、すいません、ここは分かんないです。
個人的には絵柄が決まっちゃうとつまんなくなっちゃうんで、得体の知れない、この人は一体何がやりたいんだ、みたいな方が結構興味を惹かれるんで、自分もそんな感じで、ふわふわした絵を描いていくと思います。
参考にしてみください。
おわりに
はい、お疲れ様です。
終わりのあいさつということで、今日も聞いていただいて、ありがとうございました。
今日は結構、来た質問がかなり核心をついた質問というか、深いテーマだったんで、結構長く喋ってしまいました。
まあでも結構、意外と同じような悩みを抱えてる人が多かったりするんですよね。
絵に限らずそうですよね。
自分が今悩んでることが、自分だけの悩みだと思ってしまいがちなんですけど、自分が初めて悩むことってほとんどないと思うですよね。
人類史上、自分が初めて悩んでますっていう悩みを抱えてる人ってほぼいないと思うんで、すでに誰かが一度は悩んでる
一度どころじゃないですね、誰かが悩み抜いてることだったりすると思うんで、そういうときは他の人に質問とか相談とかすると、すんなり分かったり、すると思います。
なので、お気軽に質問などをいただければと思います。
他の人も悩んでるなって分かるだけで、自分だけが悩んだものじゃないんだっていう風に思うだけで、結構気が楽になるんでね。
「あ、俺の悩みって全然大したものじゃないんだ」みたいな風に思えると、結構ストレスが軽減されるので。
そういう風に考えてみると良いかなと思います。
それで、そんな感じで気楽に続けることが大事なんで、気楽に続けていけば良いんじゃないかなと思います。
そんな感じです。
今日は長くなってしまったんですが、ここまで聞いてくださった方、ありがとうございました。
この放送はコンセプトアーティスト兼デザイナーである高原がお送りしました。
またお会いできる日を楽しみにしています。
今日という日をあなたはどんな風に描きますか。
*この記事はvoicyの#8やりたいことVS他人の評価を参考に書かれています。