*この記事はVoicyの「#18 慣れと上達は違うぞ」を参考に書かれています
慣れはストレスがなくなるだけやぞ
みなさんお疲れ様です。
高原さとです。
今日はですね、慣れと上達の違いについて考えてみたいなと思います。
このテーマも昔から考えていることなんですけど。
よく
どうしたら絵が上手くなるんですか
みたいなことをインタービューとかで見たりするんですよ。
上手い絵描きの人に、質問投げてどうしたらうまくなりますかみたいなことを聞いて、最初の方はちゃんと説明してるんですよ。
こうやってこうやってこうやって練習して、こうやってこうやってこういう練習をして、スケッチとかをしてクロッキーとかやって、なんかこういううふうに描いていってみたいな
そんで
あとは、慣れればできるようになるよ
みたいなことを言うんですよ。
最後は慣れだよみたいなことを言う人がいたりするんですけど。
僕はそういう人とは考えが違って、やっぱり慣れるっていうのは何もできるようにはなっていないんじゃないかなと思うんですよね。
慣れるっていうのはただ単に、「今まで苦労していたことが苦労せずにできるようになる」ことなんですよ。
苦労していたこと、例えば箸の使い方とかで言ったら、箸を初めて使った時やっぱりなんて使いにくいものなんだろうって思うと思うんですよ。
外国人にしろ、初めて使う人が使ったら。
でも慣れてくるとそれは別に苦じゃなくなるんですよ。
苦じゃなくなるだけで、それが正しい箸の使い方かどうかとか、その箸の使い方が上手い下手とか、正確であるかどうかとか全く関係がないんですよ。
これはただ単に自分の中で、別に無意識におんなじ作業を繰り返せるようになっただけ、ストレスがかからなくなっただけであって、別に何も成長はしていない
まあそれも成長っちゃ成長といえなくもないんですけど、少なくとも上達はしていないというふうに思ったりもするんですよね。
何か慣れというのは動物的なことなのかなと思っていて。
だから、おんなじことをずっとやってたりとかすると、脳がやり方を覚えて大して大変に感じなくなるというか。
そういう感じのことなんじゃないかなと思うんですよね。
何かいい例えが思いつくかな。
そうですね。
例えばですね、いつも通っている道とかですかね。
例えば、初めて上った階段とかね。
ちょっと遠くの学校に通ってたとするじゃないですか、最初の何回かはやっぱり大変だと思うんですよ。
しばらく、すると全然大変じゃなくなるんですよね。
大変じゃなくなった理由は、体がその動きを覚えたりとか、道順を脳が無意識に覚えたりとか、景色とかを脳が一部分だけでその景色を判別するんですよ。
まあ、ようするに慣れたから、負担を感じなくなったんだと思うのです
前も話したかもしれないんですけど、人間の脳は印象で物を見ているというふうに僕は思っているんですけど。
行きの道ではやっぱり新しい物が目に入ってくるんで、
うわっ、ここどこだろう
みたいな感じに思ったりとか、視覚的にも結構ストレスがかかりやすいんですよ。
道がちょっと遠く感じたりとかね。
でも何日も通っていたらね、あっという間ですよ。
僕も高校の時、自転車で毎日1時間往復2時間、自転車で学校行ってましたけど、全然苦じゃなかったですからね。
最初だけは大変でしたけど。
3日ぐらいしたらもう余裕ですね。
でもそういうふうに何かものごとをやっていて、それに自分がストレスを感じなくなったからと言って別に上手くなったとかそういうの関係ないと思うんですよ
別に上手くなっていない。
慣れっていうのは動物的なことで、上達っていうのはもうちょっと人間的に、明確に意識がはいっていないと絶対に起きないことなんじゃないかなと思います
慣れれば自然に出来るようになる??
これに限らずなんですけどね。
僕、自然にできるようになる、みたいな考えが嫌いなんですよね。
自然にこうなるみたいな。
人間関係にしても、技術向上にしても、何かを決断する時とかもそうなんですけどね。
自然にこういく、自然にこう決まっていくとか、時間が経てばどうにかなるとか
どうにかなるはなるんですけど、いい方向に転ぶとは限らないと思うんですよね。
「慣れれば上手くいく」「そのうち何とかなる」という発想の問題はそこだと思います
目の前で考えられることを都合よく結局先延ばしにしているだけかなと思うんですよ。
絵が上手くなりたいとか、何かを変えたいんだったら、今この瞬間に変えてやるぞっていうふうに思ってやらなかったら、絶対に良くはならないんですよ。
今この瞬間に絶対うまくなってやると。
この一本の線を引いただけでうまくなってやるぞというぐらいの気持ちでやっていって、それを積み重ねていかないとうまくならないんですよ。
慣れればできるようになるとか、時間が経てばできるようになるとか、そんなふうに思ってたら何にもできるようにならないっす。
というふうに僕は思ってしまうんですよね。
もちろんそれでも時間をかけて継続しないと上手くいかないです
が、今ちょっとでも良くしてやろうという気持ちで継続しないと上手くならないと思うのです
人がなぜ成長できないかっていう話なんですけどね
その理由はやっぱ、おんなじことを繰り返してしまうからなんですよ。
おんなじことを繰り返してしまう原因は、いろいろあると思うんですよ。
動物的に同じ状態を維持したいというようなことがあったりとか、リスクを避けたいとかそういうのもあると思うんですけど。
繰り返していけばうまくなっていくとか、繰り返していけばよくなっていくっていうふうな勘違いがもしかしたらあるのかなって思っていて。
そうじゃないんですよ。
毎回よくしていこうと思って、ちょっとずつ変えていったりとか、ちょっとずつ新しいこと試したりとか。
毎回毎回、ちゃんとその瞬間にコミットしていかないと伸びていかないですよ。
人によると思うんですけど、僕はやっぱり、何か変わったなって思う瞬間はなるべく自覚したいと思って生きています。
で、結構自覚できるんですよ。
あ、今この瞬間に何か変わったっていうのがあるんですよ。
ただそれは行動した時ですよ。もちろん。
意識の上で変わることはありえないんで。
何か、今までだったら何もせずに終わっていたところを、何かこう一歩踏み出した時に、そこで「あっ何か変わったな」っていうふうに思う時があるんですよね。
それはその瞬間に起きてるんですよ。
そういう瞬間を何回自分の人生の中で作れるかっていうのが、やっぱりどこまで成長できるかというのに関わってくるんじゃないかなと思っています。
何が言いたいかっていうとね。
自然に出来るようになることなんて、何もない
っていうふうに思った方がいいんじゃないかなと僕は思っています。
もしかしたらあるのかもしんないですね。
あるのかもしんないですけど、基本的にはないっていうふうに思ってやっていかないといかんかなと。
そもそも、慣れればできるようになるとか、時間経てばなんとなくできるようになるとか思っている人は、結局今自分が何をしているかわかってないんですよ。
自分が今なぜこうしていて、これがどういった狙いがあって、どういった効果が期待できるのか。
それはもちろんその期待通りにいくとは限んないですよ。もちろんね。
それはそう期待通りにいかないことも多いと思うんですけど。
それはもう必ず自分はこういうことを伸ばしたいからとか、こういう目的があって今これをやっているんだというのを、瞬間瞬間で絶対意識して生きていかないと、もう何の成長もしないんですよ。
何の成長もしないでただただ繰り返しおんなじことをしているだけ。
それで何か成長した気になってるだけで、一歩も動いてねぇぞっていうふうに思うんですよね。
頑張ってるのになんかできるようにならないみたいなこと言ってる人って結構それが多いんですよ。
いや、それ頑張ってないんですよ。
ちょっと厳しい言い方をするとね。
だってあなた自分が今までやってきたことしかやってないじゃないっていうふうに見えるんですよ。
それって結局楽してるんですよ。
そっちの方が楽だから。
新しいこととかをやらずにね。
何も変えずにおんなじことをやっている方が楽だから、そうしているんだと思うんですけど。
やっぱり人間が成長するには、どんどんどん前へ前へっていうふうに思って加速していかないといけないかなと思います。
今までとおんなじ速度で走ってるだけじゃ駄目なんですよ。
どんどん加速していく、加速していくその加速度も、増やしていくみたいな。
そんなイメージで僕はやれたらいいなと思っています。
そこまで自分もそういう自分が成長できる機会をめちゃくちゃたくさん用意できているわけじゃないんで。
僕は今日からちょっとでもいいからなんか新しいことを始めたりとか、昨日と違うことやったりとか、どうしたらうまくいくのか、どうしたら上達できるのかっていうことをもっともっと考えて、その瞬間に全力で取り組んでいきたいなと思っています。
チリも積もればって、そのチリがちゃんと積もってるかどうかが大事なんだと思うんですよ。
一個一個がゼロに近いということはありえると思うんですよね。
一個一個積んでるつもりになって何も積んでない。
積み上げた石をもう一回おろしてもう一回積んでるみたいなね。
そういうことをやっていると、結局伸びていかない、成長できない、上達しないんだなと思うんで、
ほんの少しでもいいから、この瞬間に何かちょっとでもいいから変えてやろう、というふうに思ってやらないと、やりたいなと、生きていきたいなと僕は思っています。
皆さんはどう思いますか。
高原さと
*この記事はVoicyの「#18 慣れと上達は違うぞ」を参考に書かれています
絵を描く人の考えがわかる本
「ネット絵学」
色々な絵描きの人に、経歴や考え方などをインタビューした本です
僕の好きなLM7さんや、つくしあきひとさんなど、すごい絵師さんの考え方が書いてあります
絵はそんなにたくさん載っていないですが、絵描きとしてどうやって生きていけばいいのか、など、色々な考え方が学べます